マザーテレサの名言が教えてくれる6つの生きる知恵

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世界中から敬愛を集めたマザーテレサ。その言葉は生前から多くの人々の心を捉えてきました。

彼女の数々の金言からは、どのような生き方の知恵が学べるでしょうか。

本記事では、ノーベル賞受賞スピーチを始め、国連での講演などで語られたマザーテレサの名言を紹介。

そこから読み取れる生きる上での教訓を解説していきます。愛と奉仕の精神を体現したその言葉から、どのように生きるべきか、人生の意味を見つめ直すヒントが得られるはずです。

平和の象徴として世界的な尊敬を集めたマザーテレサの言葉が教えてくれる生き方の知恵とは─。

マザーテレサの生涯と功績

マザーテレサことアグネス・ゴンサーハ・ボージャジュは1910年に当時オスマン帝国領であったアルバニアのスコピエで生まれました。

貧しいアルバニア人の家庭で、妹1人とともにカトリックの厳しい教育を受けながら育ちます。

18歳のときにアイルランドのロレト修道女会に入会し、インドのカルカッタに派遣され宣教活動に従事。

しかし都市のスラム街で街頭で死にゆく貧民の姿に衝撃を受け、1950年にミッション・オブ・チャリティを設立。以後、「世界の母」と呼ばれるようになるほど、生涯にわたって病人や貧民、孤児たちの世話に尽くしました。

独立精神に溢れた行動力のある女性で、1979年にノーベル平和賞を受賞した栄誉を活かして平和活動の輪を世界中に広げていきます。

1997年に心臓発作でこの世を去るまで、貧しい人々への愛と奉仕の実践を生涯のテーマとして活動し続けました。 

1979年のノーベル平和賞受賞スピーチでの名言とその意味

当時69歳と高齢だったマザーテレサがスピーチで語った「小さなことを小さな愛で始めなさい」という金言は、会場にいた多くの人々の心を捉えました。

背景には、当時の世界情勢として、冷戦構造の残滓があり、各地で紛争が絶えませんでした。そのため「世界平和など実現不可能では」とあきらめを感じる空気が広がっていました。

しかしマザーテレサは、そうした状況下でこそ、一人ひとりが自分の周囲から思いやりと愛の輪を広げていく小さな実践が大切だと訴えたのです。これが大きな平和の実現へつながると確信していました。

この名言こそが、マザーテレサの平和活動の精神的な核心を突いていると言えましょう。小さな愛の行動の積み重ねが、いつか大きな変化をもたらすと信じる姿勢こそが、彼女の平和への道筋だったのです。

1985年9月の米国連邦議会上下両院でのスピーチ

当時、レーガン大統領のもとでの米ソ冷戦構造がピークを迎え、核兵器をめぐる軍拡競争が過熱していた時代背景がありました。

その中で小柄なマザーテレサが議場の中央に立ち、「平和とは単なる言葉ではない。平和とは行動なのだ」と静かだが力強い口調で訴えかけました。

会場は息を呑むような静寂に包まれます。マザーテレサの熱いメッセージは議員たちの心に響いたのです。

このスピーチでマザーテレサが訴えたメッセージは、「平和とは単なる言葉や願いではなく、行動こそが大切」ということです。

「平和を望む」と口では語りながらも、軍拡競争を加速させている現実。そんな状況への警鐘として、この金言が重要な意味を持っていました。

平和の実現には、ただ願うだけでなく行動することが求められる。議員の皆さんにそのことをマザーテレサは訴えかけたのです。

平和への強い思いが込められた歴史に残るスピーチだったといえます。

短いスピーチでしたが、その内容は現代にも通じる普遍的なメッセージが込められています。

1996年の国連本部での講演で語った「平和の道」の金言

当時86歳と高齢になっていたマザーテレサが国連本部という世界的な舞台で訴えかけたメッセージは、各国の要人たちの心に大きな影響を与えました。

「平和の道とは、他者を受け入れ、赦し、愛することから始まる」

この金言の核心は、対立や紛争の相手を敵視せずに、むしろその痛みや立場を理解し、愛の心で受容していくことに他なりません。軋轢当事者同士が互いの痛みを共有し合える関係を築くことが平和への近道であることをマザーテレサは訴えたのです。

しかしそれは決して容易なことではありません。自分や自国の正当性だけを主張することは簡単ですが、相手の痛みに心を開くことは難しい道のり。そこに大きな勇気と愛の心が必要とされるのです。

マザーテレサのメッセージは、この困難な道のりを走り抜くことの大切さを世界に発信したと言えるでしょう。平和とは愛から生まれるものであり、そのためには相手への思いやりが必要不可欠なのです。 

1997年の祈りの中での「愛と奉仕の心」についての一節

1997年8月、マザーテレサは修道女たちとの日々の祈りの中で、次のような言葉を残しています。

「愛することなく奉仕することはできない。奉仕することなく愛することもできない」

この金言は、真の奉仕とは愛から生まれるものであり、また真の愛とは奉仕という行動で示されるものだということを教えています。

マザーテレサによれば、人から感謝されるためではなく、報酬を期待してではなく、心からの愛ゆえに人のために尽くすことが真の奉仕なのです。そしてそうした無私の奉仕こそが、愛の実践であるとのこと。

愛と奉仕は切っても切れない関係にあり、この二つが融合したとき、初めてその真価が発揮されるのです。それがマザーテレサの教えるところです。

死の直前に送ったメッセージに込められた「感謝の心」

1997年9月5日、マザーテレサは心臓発作のためこの世を去りました。その数日前、彼女はスタッフにこうしたメッセージを送っています。

「私が受けたすべての善意に、心から感謝していることを伝えてほしい。私の人生は感謝の連続であり、神様からの素敵なプレゼントだった」

これは、死を目前に控えたマザーテレサが、生涯にわたって受けた他者からの善意と支えに対する感謝の思いを込めた言葉でした。

苦難に満ちた人生のはずだったが、周囲の人々の愛と助けによって感謝にあふれる幸せな人生を送ることができた。そう実感したマザーテレサの美しい心が感じ取れる言葉です。

苦しい環境の中でも、周囲の支えがあれば幸せを感じることができる。またその幸せな人生こそが神様からの恵みであると、心の底から実感できる素晴らしさ。それをマザーテレサのメッセージは伝えているのです。

この世を去る直前に、自らの生き方を象徴する遺言を残すことができたマザーテレサ。その言葉一つひとつに、感謝と幸せへのまなざしが込められていたと言えるでしょう。

このメッセージこそ、マザーテレサの生き方を象徴する遺言と言えるでしょう。

まとめ ── マザーテレサの名言から学ぶ生き方

マザーテレサの名言からわかることは、世界を変えるにはまず自分から小さな一歩を踏み出すこと、そして思いやりと赦しの心を持つことが大切だということです。

また、真の奉仕とは愛から生まれ、真の愛とは奉仕によって示されるものであると教えてくれます。愛と奉仕は表裏一体と心得ましょう。

そして感謝の心を忘れずに、周囲から受けた恵みに対して日々感謝できる生き方をしていきたいものです。

マザーテレサの生き様は、まさにこの上ないロールモデルと言えるのではないでしょうか。ぜひ彼女の数々の金言に学びながら、愛と奉仕の心を持った生き方を実践していきましょう。

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